2019-05-22
ルーフィ、空陸⼀貫配送サービス「ハコJET」開始 冷蔵・冷凍の流通促進
日本食糧新聞1月20日号に記事が掲載されました
各地の名産品を遠方の消費地で展開する際、とりわけその商品が要冷蔵・冷凍の場合には輸送にかかる時間やコストがネックになる。航空便を活用する場合も、陸送と空輸をそれぞれ手配する手間が伴う。こうした負を解消すれば、産地と消費地をつがく商品流通が拡大する余地は大きい。そのような想定の下、関東を基盤に配達マッチングサービスを展開するルーフィは、20年12月に日本航空との業務提携による空陸一貫の配送サービス「ハコJET」をスタートさせた。
1996年設立のルーフィは、B2Bの冷蔵・冷凍品輸送のデジタルプラットフォーム「ハコブリッジ」を2016年から運営している。年中無休・24時間体制のマッチングシステムで、突発的なスポット配送に対応してきた。
渡部泰章社長は「急を要する配送の中には長距離の案件もあり、トラックによる輸送だと依頼主のコスト負担は大きい。3温度帯に対応した空陸一貫型のサービスは国内になく、仕組みとして実現すれば課題解決になると考えた」という。
ハコJETのサービスサイトでは、陸輸・空輸を一括注文できるだけでなく、陸送のみの場合の所要時間・費用と比較検討できる。福岡と都内を当日配送する場合、送料は陸送のみと比べ3分の1ほどに圧縮できるケースもあるとしている。
当初は北海道から沖縄までの主要7空港でスタートし、1月6日には発着地両用で11港に拡大、着地専用2港も追加した。
年内に東北・北陸・中四国への展開を予定している。
空陸一貫の配送網を実現するには、各地域で陸送のサービス事業者と連携することはもちろん、コールドチェーンのためにドライアイスの供給体制を整える必要があった。さらに輸送時の温度維持を確実に、かつドライアイスの使用量を抑制するため、同サービス用に特殊な保冷ボックスも開発している。
冷蔵・冷凍品の長距離輸送を時間的にもコスト的にも圧縮できれば、スポット配送の課題解決に加え、事業者は突発的な需要に備えるための在庫を削減できるようになる。
また、地域産品を流通させるハードルが下がれば、中小規模の生産者・事業者も販路拡大に取り組みやすくなる。
渡辺社長は「冷蔵・冷凍輸送がネックになっているローカル商品は多いと思う。ハコJETはその課題を解決し、販路拡大に貢献できる。各地で行政も巻き込んだ取組みを広げたい。また、定期輸送のニーズ対応も含め、ハコJETを活用したサービスの拡充を進めていく」と語る。
荷主と配送先をつなぐ機能に加え、大消費地である関東エリアでは消費者へもつながる物流のハブ的な機能も検討していくという。(宮川耕平)
ハコブリッジ(ハコJET)のお問合せはこちら
問い合わせ先:03-5255-3282(配車直通)
ハコブリッジURL:https://www.hako-bridge.jp/