空陸一貫型配送マッチングサービス始動
第55回スーパーマーケット・トレードショー(021/2/17-2/19)の特集企画でルーフィが食料醸界新聞社2021/2/25日号に記事が掲載されました
BtoB物流の車両マッチングサービスやネットスーパーの配送業務を担うルーフィ(本社=東京都中央区、渡辺泰章社長)。日本航空(JAL)と提携し、新たな空陸一貫型配送マッチングサービス「ハコJET」の展開を開始した。一方、ネットスーパーでも地域スーパーマーケットに向けた新たな事業を構想している。渡辺社長に聞いた。
─ルーフィの事業内容などを教えてください。
1996年に創業し、BtoBの分野で、荷主と実際の運送を担う協力会社をつなぎ、冷凍・チルド商品をスピーディーに配送する事業をスタート。2006年には大手GMS企業のネットスーパー配送業務を受託してBtoC事業に参入しました。
現在では、BtoBでは企業間の緊急配送と定期配送を担うとともに、BtoCでは年間300万件のネットスーパー配送など個人宅配を手がけています。
BtoBでは、2016年からサービスを開始した陸送の車両マッチングサービス「ハコブリッジ」が大きな転機になりました。
従来は、集荷の場所や時間、配送先の荷主との連絡、配送業者の手配などを電話やFAXで行っていました。非常に手間のかかる作業で、配送料金もまちまちで統一されていませんでした。
そこでネットで荷主と陸送の車両をマッチングするサービスとして、料金も統一して「ハコブリッジ」をスタートしました。当初は軽車両のみで開始しましたが、その後大型車両にも対応。「ハコブリッジ」の導入以降はBtoB分野は約3倍に伸張しました。
このシステムは、車両のマッチングのみならず、中小配送会社の経理などの行う改善や営業スタッフの代替としての役割も果たしています。
─新たな取り組みもスタートしています。
昨年にJALと業務提携し、12月1日から「ハコブリッジ」の機能の一つとして空陸一貫型配送サービス「ハコJET」をスタートしました。
API(アプリケーション・プログラミング・インターフェース)により、両者システムの連携を図り、JALの国内線ネットワークとルーフィの荷主をつなぐ、空陸一貫物流を可能にしました。
航空貨物輸送を利用する場合は、これまで空輸の手配と空港までの陸輸を別々に手配する必要がありました。「ハコJET」を利用すれば、集荷地点から空港までの陸送と航空便、到着した空港から配送先までの陸送を、同時に手配することができます。
─「ハコJET」と他社のサービスとの違いは。
違いは3点あります。
第一は、時間が指定できることです。集荷時間や使用する航空便の選択をはじめ、納品時間も指定できます。航空便に関してはJALのシステムとつながっているので、その時点で空きのある便が提示されます。
もう一つの特徴として当日配送があります。福岡・東京間を最短5時間で届けます。さらに、場合によっては陸送のみと比べて配送料金が割安になるケースもあります。
そして3温度帯の対応が可能です。航空便はアルミコンテナを使用するので、温度管理が難しい輸送手段で、ドライアイスのコストもかなりの額になります。「ハコJET」では、各空港の近くに提携するドライアイス提供企業を用意しており、空港の近くでドライアイスを調達。空港でJALに預けてある専用の大型保冷ボックスに荷物とドライアイスを詰めて空輸しています。
─ドライアイスの使用量も少なく、適切な温度管理が可能なのですね。どのようなユーザーの利用が多いのでしょうか。
”朝採れ”の農産物を、その日のうちに届けたいという生産者などに利用されています。海には価値の高い食材がたくさんあるので、今後は地域の漁協などにも活用を提案していきたいと思います。
─BtoCでは、新型コロナウイルスの影響でネットスーパーが伸びていますが、課題もあります。
日本のネットスーパーは店舗出荷型が中心ですが、これには限界があります。
受注が増えて1台目の車両が一杯になれば、一時的には物流コストが賄えます。しかし、さらに物流が増えて2台目の車両が必要になると、また物流コストがペイできなくなる。これを乗り越えるには規模を拡大する必要があるのですが、物流の収支がコントロール可能になるまで受注件数を増やすと、商品をピッキングする店舗のオペレーションが追いつきません。
そこでセンター出荷型となるわけですが、非常に大きな投資が必要で、大手企業しか参入できない。
ただ新型コロナで生活者の買物行動が変化し、中小スーパーマーケットでもネットスーパーを展開したいという企業が増えています。
そこで地域のスーパーマーケットとともにベーカリーなどの個人商店も含めて横断的な買い物が可能で、ワンバスケット決済、一括集荷、一括納品の新たな仕組みを構想しており、今年中にサービスを開始したいと考えています。
─ありがとうございました。
ハコブリッジ(ハコJET)のお問合せはこちら
問い合わせ先:03-5255-3282(配車直通)
ハコブリッジURL:https://www.hako-bridge.jp/