2019-11-22
日経MJ:2022年9月30日掲載
ネットの「商店街」で買い回り。
運送会社のルーフィ(東京・中央区)が、地域の複数の店舗を1つのサイトに集約したモール型ネットスーパーを展開している。スーパーやドラッグストア、パン店などの商品をまとめて購入できる。商店街を巡るように複数店で買い物できるサービスで、都内3地域を対象に配達している。今後、近畿や福岡など10地域での展開をめざす。
ネットスーパーのサービス名は「マルクト」。2021年に東京都大田区の一部地域で始まった。現在は江東区の大島地区など都内3地域で配送に対応。加盟店は計15店で、年内にコンビニや生花店などが加わり、20店体制になる見通しだ。
注文はマルクトのサイトで受け付ける。注文を受けた加盟店は商品を取り置き、1日4回の決まった時間に配達員に商品を受け渡す。その後は配達員が車で注文者のもとに順次届ける。注文時間帯によるが、当日から翌日には商品を届ける。
スーパーの「ピーコックストア石川台店」(東京・大田)では、注文を受けて店舗スタッフが売り場や倉庫に出向き、生鮮食品や刺し身の盛り合わせなどの商品を集めて行く。バナナやブロッコリーなど野菜の注文も多く、痛みの少なさや成熟度なども見極めたうえで配送用に回している。
都内で配送、近畿・福岡へ拡大視野
同スーパーの近所にあるドラッグストア「スギドラッグ石川台店」では、せっけんやゴム手袋といった日用品、第2類医薬品なども注文が入るという。このほか、唐揚げ店やパン店などの商品も集めて配送している。
一般的なネットスーパーはイオンやイトーヨーカ堂などの大手小売が手がけており、その店の商品のみ扱うことが多い。マルクトでは複数の加盟店の商品を1つのサイトで注文できるため、消費者は様々な店を横断的に買い物できる。
世田谷区在住の女性は「仕事が忙しく平日にスーパーへ行きづらいのでサービスを使うようになった」と話す。当初は普段使っているスーパーの利用が中心だったが、ドラッグストアや惣菜店の商品もまとめ買いするようになったという。
ルーフィの渡辺泰章社長は「配送時間を決めているので店が商品を準備する際の負担も少ない」と話す。「ウーバーイーツ」など食品や日用品の宅配サービスが増えているが、注文から30分ほどで運ぶ必要があり即時対応が求められる。マルクトでは配送時間が1日4回と決められ、店側は余裕を持って対応できる。
コロナ禍でネットスーパーの需要は高まっている。ライフコーポレーションはアマゾンジャパン(東京・目黒)と連携したネットスーパーを首都圏や近畿圏で手がけており、9月8日には埼玉県の川越市など4市を新たに対象地域に加えた。
一方で、「ネットでも買い物機会をまとめたい」「地元の個人商店の商品が欲しい」など、大手では拾いきれないきめ細やかな需要もある。こうした声に応える地域密着型のサービスが各地で広がりそうだ。
【マルクトの概要】
・サービス名称:御用聞きモール「マルクト」
・サイトURL:https://markt-mall.jp/
・お支払い方法:クレジットカードもしくは代金引換(代引き手数料無料)
・特 徴:一括購入、一括決済、一括配送(一部店舗は店舗受取サービス有り)
※ ネットスーパーECモール《御用聞きモール「マルクト」》は、新規なビジネスモデルとして特許出願中(特願2021-123761号)です。
※ 《御用聞きモール「マルクト」》は、株式会社ルーフィの日本国登録商標(商標登録第6399675号)です。
【配送エリア】
1号エリア:大田区(一部地域を除く)、目黒区・世田谷区(各一部地域のみ)
2号エリア:豊島区、北区、板橋区、文京区、新宿区の一部
3号エリア:江東区(一部地域を除く)、墨田区・江戸川区(各一部地域のみ)。
【会社概要】ルーフィ
・商号 株式会社ルーフィ https://www.lufi.co.jp/
・事業内容 「緊急」及び「定期」配送事業、宅配事業、物流システム事業
・設立日 1996 年 4 月 9 日
・本社所在地 東京都中央区日本橋 3 丁目 8 番 3 号
・代表者 代表取締役社長 渡辺泰章
【会社概要】Diezon
・商号 株式会社Diezon https://diezon.co.jp/
・事業内容 ECサイト開発/販売、デリバリープラットフォーム提供/運用
・設立日 2016 年 8 月 10 日
・本社所在地 東京都中野区中央2丁目30−2 Sビル5階
・代表者 代表取締役 正古明