2026.07.08
なぜ「件建て」は難しいのか——混載がその答えになる理由
前回のおさらい
前回は、来店宅配の配送コストが下がらない根本原因が「車建て(固定費)」にあること、そして解決の方向性が「件建て(変動費)」への転換であることをお伝えしました。
では、なぜ件建てはすぐに実現できないのでしょうか。
件建てが難しい理由——ドライバーの収入問題
件建ての仕組みはシンプルです。配達した件数に応じてコストが発生するため、注文が少ない日はコストも下がり、来店宅配を変動費として運営できます。
しかし現実には、スーパー1店舗あたりの配送件数はSM業態で1日4〜5件、GMSでも10件程度です。
この件数では、1台のトラックを専属で動かすドライバーの収入は成立しません。配送会社・ドライバーの立場からすれば「少ない件数で件建て契約は受けられない」というのが本音です。
1店舗だけで件建てを実現しようとすると、荷物量が少なすぎてドライバーの収入が不安定になる。これが件建てを阻む構造的な壁です。
解決策は「混載」——複数店舗の荷物を束ねる
この壁を突破する答えが「混載」です。
エリア内の複数店舗の荷物を1台のドライバーがまとめて配達することで、荷物量が平準化されます。
仕組みはシンプルです。
- 近隣店舗に混載エリアを設定する
- ドライバーが複数店舗から集荷する
- 1台で複数店舗分をまとめて配達する
- 1件あたりのコストが大幅削減される
1店舗4〜5件では成立しなかった件建てが、エリア内の複数店舗の荷物を束ねることで現実的な件数になり、ドライバーの収入も安定します。小売側は変動費化を享受でき、配送会社側も安定した稼働が見込める——双方にとってサステナブルな構造が生まれます。
混載件建ての効果:実績が語る数字
混載件建てがどれだけの効果を生むか、実際の導入事例をご紹介します。
来店宅配を車建てで運営していた場合、SM業態では1店舗1台で配送しようとすると1件あたり3,000〜4,500円のコストが発生していました。混載件建てに転換した結果、件単価は700〜900円台まで低下した実績があります。
さらに、ネットスーパーの配送と来店宅配を同一ドライバーが混載した事例では、来店宅配の件単価が@2,496円から@725円へ、約71%削減を実現しています。
これが混載件建ての本質的な威力です。
まとめ
- 件建ては「1店舗だけでは荷物が少なすぎて成立しない」という構造的な壁がある
- 解決策は近隣複数店舗の荷物を束ねる「混載」
- 混載により荷物量が平準化され、件建てが初めて成立する
- 実績では件単価が最大約70%削減された事例もある
よくある質問(FAQ)
- Q.なぜ1店舗だけでは件建てが難しいのですか?
- A.スーパー1店舗あたりの配送件数はSM業態で1日4〜5件、GMSでも10件程度です。この件数では1台のトラックを専属で動かすドライバーの収入が成立せず、配送会社から件建て契約を受けてもらえないためです。
- Q.「混載」とは何ですか?
- A.エリア内の複数店舗の荷物を1台のドライバーがまとめて集荷・配達する仕組みです。複数店舗分を束ねることで荷物量が平準化され、1店舗だけでは成立しなかった件建てが現実的な件数になります。
- Q.混載件建てにすると配送コストはどのくらい下がりますか?
- A.車建てではSM業態で1店舗1件あたり3,000〜4,500円かかっていたコストが、混載件建てへの転換で件単価700〜900円台まで低下した実績があります。
- Q.実際にどれくらい削減できた事例がありますか?
- A.ネットスーパーの配送と来店宅配を同一ドライバーが混載した事例では、来店宅配の件単価が@2,496円から@725円へ、約71%削減を実現しています。
- Q.混載は小売・配送会社のどちらにメリットがありますか?
- A.小売側は配送コストを変動費化でき、配送会社・ドライバー側も荷物量が安定して稼働の見通しが立ちます。双方にとってサステナブルな構造が生まれる、Win-Winの仕組みです。
次回:混載件建てを実現する仕組み——「手ぶら便」と「ハコログGO」がセットである理由
